千両荘の取り組み[日常生活]

介護の考え方や方法は時代の流れと共に変化しています。
決められた時間に決められたことを行う『集団ケア』が主流だった特別養護老人ホームは、2000年の介護保険導入で大きく変化しました。『個別ケア』が重視される時代になったのです。
「千両荘」の介護のキーワードは『その人らしく』。入所者様一人ひとりを知り、その方の送ってこられた生活習慣を大切にし、その人らしく生活して頂くために日々努力しています。

【入浴】

流れ作業になりがちな機械浴をやめ、青森ヒバを使ったぬくもりのあるお風呂にゆっくり入っていただいています。

  • 方針:できる限り、その人にあった温度、時間を意識しよう。
  • 基本的な考え方:入浴介助はリラクゼーションを守る事。
  • 入所者様からの声:「もう普通のお風呂にはいれるとは思っていなかった。気持ちいい」



【食事】

できる限り車椅子ではなく普通の椅子へ座り替え、適切な姿勢で食事をとっていただくようにしています。

  • 方針:入所者様と目線の高さを合わせ楽しく食事をしよう。
  • 基本的な考え方:食事介助はコミュニケーションを大切にする事。
  • 入所者様からの声:「自分で食べるとおいしいね、楽しいね」



【排泄】

一斉でのトイレ誘導・オムツ交換をやめ、できるかぎりトイレですっきりしていただけるよう心がけています。
トイレにはどの位置からでもつかむことができる手すりを設置しています。

  • 方針:できる限りトイレでの排泄を試みよう。
  • 基本的な考え方:排泄介助はプライドを守る事。
  • 入所者様からの声:「もうトイレでおしっこやうんこができるとは思ってなかったよ」「生き返った」「人間に戻れた」



【外出】

全体行事だけではなく、その方の思いに合わせた外出を個々に行っております。

  • 方針:懐かしい思い出の場所やずっと行けなった墓参り等へ出かけてみよう。
  • 基本的な考え方:外出はこれまでの習慣に合わせた行動である事。
  • 入所者様からの声:ご自宅の仏壇、お墓の前で、自然に手を合わせる。「やっと来れたよ」とぽろっと言葉が出る。




思うように動くことができない方には、いかに動きを邪魔しないようにサポートするか、という介護技術が必要となります。スタッフがやるのではなく、その方がやることのお手伝いをさせて頂くという気持で取り組んでいます。
「千両荘」では『楽ワザ介護』を取り入れ、全職員を対象に定期的に勉強会を開催しています。